ローソク足の勉強をしてみたものの、実際分析をしてみるとやっぱり難しいものです
この記事ではアサヒHD(5857)のチャートを用いて分析の例を解説します
アサヒHDは貴金属と廃棄物処理を基本事業とする非鉄金属の会社で、配当利回りは5.66%(4月10日終値時点)と驚異の高配当株のひとつです
さっそく確認していきましょう!
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アサヒHDの株価推移を確認
アサヒHDの2019年10月から2020年4月までの日足チャートを引用します👇
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引用元:株探(アサヒHDチャート)
2019年10月下旬に株価が大きく上昇し、2020年1月末に最高値2880円を記録しました
その後株価は下降基調であり、同年3月19日に大底の1932円をつけた状況です
それではこのチャートを順番に確認していきましょう
前半の上げ基調

① 窓開けの大陽線
2019年10月30日に株価は前日から大きく窓を開け、上昇しました
いわゆる大陽線が出現しており、胴体部分の非常に大きいローソク足が出現しています
胴体の大きさはそのシグナルの強さを示しており、力強い買いに支えられたことの現れです
窓を開けて大陽線が出ると、強い買いシグナルの表れで上昇トレンドが続くと考えられます
実際このシグナルの後、多少の上げ下げを挟みながら最高値2880円を目指すことになります
② 下げ基調での長い下ヒゲ
大陽線をつけ上げ始めた株価ですが、11月6日に上ヒゲをつけた後、下げに転じました
しばらく下げ続けた11月21日、非常に長い下ヒゲ(胴体が短い)が出現しました
この下ヒゲを機に、翌日の窓を開けた上昇も伴い再び株価は上昇に転じます

👉大きく株価が売り下げられる!
👉しかーし強く買い戻される!
👉下値限界!買い勢い強い!
③ ヨコヨコからの大陽線
しばらく上にも下にも大きなトレンドはなくヨコヨコの推移を続けていた株価ですが、大きな大陽線を示しました
その後株価は大きく上昇し2872円を記録します
④ 大幅に上昇するも大きな上ヒゲ
2872円を記録するも結果的に株価は大きく下げられました
利益確定と思われる売りに買いが負け、株価が上値限界となった証です
この上ヒゲをつけた翌日から株価は下降していきます

👉大きく株価が買い上げられる!
👉 高値を記録するも売り下げられる!
👉 上値限界!売り勢い強い!
後半の下げ基調

⑤ 上げ基調でのかぶせ線
1月9日の上ヒゲから下落していた株価は、再び上昇に転じ1月28日に最高値をつけました
しかし同日売りが優勢となり、終値は始値よりもマイナスとなり陰線をつけました
この陰線が前日の陽線のかぶせ線となり、連日の陰線で大きく下落に転じます
かぶせ線は下げトレンド突入の明確なシグナルとなったわけです

👉 前日より高く寄り付く!
👉 しかしどんどん売られる!
👉 結果的に前日の上昇を打ち消す!
⑥ 窓を開けての陰線
下げが一段落しヨコヨコが続いていた株価ですが、再び下げに転じます
ここでは前日の終値と翌日の始値が大きく乖離する『窓開け』で下落しています
このような場合、下げが加速する可能性が強く、強い売りシグナルとなります
ほとんどの買いポジションが損する形ですので、我先に損切りといった取引が下げを加速させるわけです
⑦ 下げトレンドでの陽線
窓開けで加速した下げトレンドの最中、陽線が出現しました
『さすがに下げすぎだろ』と値惚れした新規の買いが買い支えた結果と考えられます
このような下げトレンドにおける陽線は、ヨコヨコや上げ基調で出現する陽線とは異なる性質を持つと考える方が無難です
ほとんどの買いポジションが損を抱えているのが下げトレンドですので、多少の株価上昇も損切りの機会を与えるだけとなり、売り圧力に買いが負ける場合が多いです
⑧ 陽線後に出現した大陰線
下げトレンドを打ち消す大きな陽線が2つ続きました
これは上昇か?と思われる場面ですが、⑦で述べた通り、結局は下げトレンドです
始値が最高値となり、終始売られつづけ大陰線をつける結果に終わりました
この大陰線をシグナルとして、再び大きな下げに転じることになります
⑨ 十時線の後に出現した大陽線
⑧以降の下げトレンドでは、ある変化が見受けられます
下げ基調ではありますが、ローソク足に下ヒゲが目立つようになりました
つまり下げては買いが現れ、株価が上に押し戻される展開が続いていたことを示してます
3月19日にはローソク足の胴体が短く、上下にヒゲが伸びた十字に近い足が出現しています
つまり買いと売りがお互いに拮抗している均衡点であると考えられます
実際にこの日につけた1932円が底値となり、翌日に出現した大陽線をシグナルとして株価は上昇に転じました

👉 始値と終値が同じ!
👉 売りと買いの勢いが拮抗!
👉 上昇と下降の分かれ目となる!
さいごに
以上、アサヒHDの株価推移を例にテクニカル分析をしてみました
このように見てみると確かに明確なシグナルが出ているように思えます
このシグナルを実際のトレードで見逃さないためには一定のトレーニングが必要です
今回のような懐古的な分析はどうしても結果論となってしまいますので・・・汗
できる限り長く相場にいることで、勘を養っていきたいものです
何か参考になれば幸いです!
* 本記事は個人の考えを示したものであると同時に、特定の銘柄を推奨するようなものではありません、投資の判断はご自身でお願いいたします