日常生活

お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?飛行機の変わった経験

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『お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?』飛行機の機内で流れるこの緊急アナウンスは、ドラマや映画でよく目にするシーンです。皆さんはこのような場面に居合わせたことはありますか?

この記事では僕が人生で初めて機内でお医者さんを探している場面に居合わせた経験、そこで起こった不思議で奇妙な出来事についてご紹介します。

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お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?

西オーストラリア州パースでの楽しかった旅行が終わり、空の玄関口パース空港で帰りの飛行機を待っていた。どうも機材の到着が遅れているようで、出発予定時刻を1時間以上過ぎている。

搭乗口近くのカウンターテーブルに腰掛けて、コーヒを飲みながらスマホの写真を眺めて楽しかった旅の思い出を振り返る。500枚以上の写真はスマホのストレージを圧迫しそうで、少し撮りすぎたかもしれない。

カウンターテーブルの背後には売店があり、オーストラリア名物のTimTamやビーフジャーキーが所狭しと並んでいる。もうお土産も十分買ったので僕にとっては用事はない。

まだまだ機材の到着には時間がかかりそうだが、なんだか売店の方が騒がしい。早口の英語で日本人の僕には全てを聞き取ることはできない。それでも揉めていることは雰囲気から十分伝わってくる。

振り返るとインド人のような風貌の男性が1人、売店の品を両脇に抱えている。すごい量だ。そして屈強な警官2人が、インド人風の男性を囲んでいる。オーストラリア人は身体がデカい。いかにも強そうである。

かれこれ10分以上言い争いをしている。男性は盗みを働いたのか?そんな雰囲気である。しかし男性は堪忍したのか、売店の品を全ておき、警官二人に連れて行かれた。

いったい彼は何をしたのだろうか?僕があの男性なら、オーストラリアの警官とやりあう自信はない。男性は口が達者なのか、肝が据わっているのか、結構やり合っていた。

結局2時間以上待たされ、ようやく機材の準備が整った。いよいよ飛行機に搭乗し、オーストラリアに別れを告げる。いい旅だった、また来たい。独特の寂しさを噛み締めながら飛行機は離陸した。

機体が安定した高度に達し、機内食が振る舞われる時間になった。搭乗しているのはタイ航空。機内食はタイ料理である。タイ米の長細くパサパサした感じは嫌いではない。

どうやら乗客全員に機内食が行き渡ったようである。搭乗した便はほぼ満席だが、見渡す限り乗客は思い思いに食事を楽しんでいる。

すると突然、機内放送が流れ始めた。『Is there any medical professional on board? 搭乗中のお客様でお医者様の方はいらっしゃいませんか?』こんな内容だった。これはドラマで見たことあるやつや。

よく見ると機内前方で女性が横たわっており、客室乗務員が何人か慌ただしそうにしている。どうも容態が急変してしまったらしい。乗客が次々に食事をやめ、事態を見守っている。

すると、機体後方から手を上げながら男性が近づいてきた。食事で使用していたスプーンだろうか、口にスプーンを加えながら、何か叫んでいる。自分はドクターだ、そう叫んでいた。

これだけ乗客が乗っていれば、やはりお医者さんが乗っているものだ、そう感心したのも束の間、僕はあることに気づいてしまった。自称ドクターの男性、パース空港で警察官に連れて行かれた『あの男性』だった。

緊急事態を救うドクターが現れたという安心感が一転、盗みを働いて警官と揉めていた男性が名乗りを上げたことで不安感が一気に高まってきた。本当にあの男性は信じて良いものだろうか?彼はスプーンを咥えたまま処置を施すつもりか?

飛行機には点滴溶液や医療器具が積み込まれているらしい。客室乗務員は手際良く医療セットを取り出し、スプーンを咥えた男性に手渡していく。どうも男性は淡々と処置を続けているようである。男性の指示に合わせて、客室乗務員は輸液バッグを吊るしたりしている。

うなされていた女性の声は次第に静まり、客室乗務員の様子も落ち着いてきた。処置はうまくいったようである。機内アナウンスで『機内に乗り合わせた医師により処置を行い、事態は落ち着いた』と伝えられた。その瞬間機内では大きな拍手が起こり、乗客全員が安堵に包まれた。

処置をした例の男性が自分の席に戻っていく。男性は完全にヒーローである。乗客全員が拍手を続け、男性を見送っている。彼は両手を挙げ、拍手を送る乗客に応えていた。少し誇らしげな表情をしているが、彼はまだスプーンを咥えていた。

盗みを働いたシーンを知らなければカッコいい医者だと感心したのだろうが、警官と揉める現場を知っているだけに僕は少しだけ複雑な気持ちになった。日本に帰った現在も『彼は何者だったのだろう?』と繰り返し思いを巡らすこととなったのである・・・

さいごに

いかがでしたか?結局あの男性は本当にお医者さんだったのでしょうか?盗みを働くような人の処置を受けるのは少し怖いですね。とはいえ、飛行機内の緊急事態は事なきを得たので、あの男性が乗り合わせていて本当に良かった、ということなのでしょう・・・

本ブログで記載している内容は全て個人の考えを示したものです。投資にはリスクが伴います。
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