ほとんどの個人投資家は株式市場に勝つことができません。つまり個別銘柄に投資して、市場平均を上回るような運用パフォーマンスを出すことは出来ないということです。
チャールズ・エリスによる名著『敗者のゲーム』を読み、個人投資家の僕は落ち込んでしまいました。なぜなら
個別株では市場平均に勝てない
インデックス投資に専念すべき
と分かったためです。
この記事では『敗者のゲーム』の意味と、『敗者のゲーム』を読んで考えた投資方針について紹介します。今回、個人投資家が個別株で利益を出すのは難しいことが良く理解できました。結論、
それでも僕は個別株に投資します!
- 個別株投資でインデックス投資を上回る成績を出したいと意気込む投資家
- 敗者のゲームの意味を知りたい投資家
- 敗者のゲームの意味
- アクティブ投資や個別株が市場平均に勝てない理由
- 敗者のゲームを読んで決めた僕の投資方針
敗者のゲーム(チャールス・エリス著)
全米100万部を超えるロングセラーであり、プロ・アマを問わない投資家全てに向けた投資哲学のバイブル的な書籍。
『資産運用に難しい専門知識はいらない』
これが著者エリスの主張である。
全23章で構成され、資産運用で押さえるべきこと、長期的な運用方針に関する助言、個人投資家の投資方針の解説などが収録されています。
個人投資家であれば一読の価値あり。なぜインデックス投資が優れているのか?自分は個別株やアクティブファンドに投資して資産形成するんだ!と意気込む人も、一度読んでみると自分の投資法を見つめ直す機会になるはず。
NISA、積み立てNISA、iDeco投資に取り組む人が多い中、改めてインデックス投資について勉強する良書であること間違いなしです。
読者の感想(Amazonレビュー参照)
配当金で資産形成をテーマに約1,500万円を運用中です。将来は不労所得で生活するために日々資産を積み上げています。Twitter(@かっぱ)もやっていますので、ぜひご覧ください。
【株式投資始めて6年】 毎年配当額が増えていくの楽しい 今年はどこまでいくかな? 2016年: 2,578円 2017年: 38,685円 2018年: 93,905円 2019年: 197,241円 2020年: 296,929円 2021年: 438,313円 2022年: 🤔🤔🤔🤤 pic.twitter.com/lpT0h5JUo8
— かっぱ⭐️配当金で資産形成 (@hibi_kappa) February 8, 2022
コンテンツ一覧
株式市場の平均に勝てない
市場で勝つことの難しさを痛感させられる本の一つが『敗者のゲーム』です。
『敗者のゲーム』を読み終えて、改めて自分の投資方針について考えました。
敗者のゲーム読了📚
投資生活を振り返る
良いきっかけとなりました。個人投資家(素人)として
謙虚に投資せねばなりませんね。✔︎自分の投資目標は何か?
✔︎市場に即した投資ができるか?
✔︎日々の変動に左右されない資産配分は?
✔︎狼狽しないリスク許容度は?言うは易しですが改めます pic.twitter.com/9GjzSjSJJL
— かっぱ⭐️配当金で資産形成 (@hibi_kappa) December 26, 2020
著者のエリスは様々なデータに基づいて次のように解説しています。
敏腕トレーダーの溢れる現代の市場において、素人の個人投資家が市場平均に勝つことは困難である。
個人投資家(素人)だけではなく、機関投資家(プロ)でさえも勝てないと言っているので驚きです。
機関投資家の成績が市場平均を上回ることが1年や2年はあったとしても、長期的に継続して市場平均を上回ることは困難であり、結果的に市場平均を下回ると解説しています。
それではなぜ長期的に市場平均を上回ることが困難なのでしょうか?
エリスのいう『敗者のゲーム』の意味を明らかにしながら解説していきます。
敗者のゲームの意味
エリスは『敗者のゲーム』の意味について、テニスの例で説明しています。
これはエリスだけが言っている例えではなく、様々な人が用いている例えです。
敗者のゲームとは『プロが得点を勝ち取るのに対し、アマチュアはミスによって得点を失う』ということです。
分かりやすいように、具体的に説明してみようと思います。
プロのテニスプレーを観察すると以下のようになる。
- 長いラリーを続け、強力で正確なショットを放つ
- 敵の手の届かないところにショットを打ち勝利する
- 一流なのでミスを犯さない
- 得点は自分で勝ち取る
一方で、アマチュアのプレーを観察すると以下のようになる。
- 素晴らしいショット、エキサイティングなラリーはなかなか無い
- 敵をやっつけることは稀である
- ボールはネットにかかり、ラインの外に出る
- 獲得得点は相手のミスのおかげ
どうですか?テニスの事例はわかりやすいですよね!
プロテニスプレイヤーの試合は『勝者のゲーム』で、アマチュアプレイヤーの試合は『敗者のゲーム』。
レクリエーションでやるスポーツもミスした方が負けなんてことがよくありますよね?まさに敗者のゲームです。
株式市場においても同じ現象が起きているとエリスは解説しています。
つまり現代の株式市場には敏腕トレーダーが世界中で活躍しており、資産運用は昔の『勝者のゲーム』から『敗者のゲーム』に様変わりしてしまったということです。
敗者のゲームに様変わりしたのは、数え切れないほどの機関投資家がより高い成績を挙げようと懸命に競い合っているからです。
このような状況ではアクティブファンド(市場平均を上回るパフォーマンスを追求するファンド)に勝ち目はありません。
市場で勝ち残るにはいかにミスをしないか(市場平均に従うか)が大事であり、これがエリスのいう『敗者のゲーム』なのです。
どのような戦略を取るべきか
『敗者のゲーム』を読んで市場に勝てないことを知った今、どのような戦略を取るべきなのでしょうか。
僕は30代前半の個人投資家で、個別株に投資をしていますが、この投資方針を変えるつもりはありません!笑
『市場は敗者のゲームなのに、なぜ個別株で投資を続けるのか?』そんな声が聞こえてきそうです。
僕が個別株に投資するのは、投資を通して企業活動や世の中のトレンドの変化を学びたいからです。
個別株投資をしていると、会社の決算資料や個別株のニュースに敏感になります。
この経験を通し、投資や経済に対する自分の考え方がより具体的に深く養われます。
若いうちは、個別株に投資しながら投資脳を鍛えていきたいのです。
しかし純粋に資産を増やすという意味では、やはりインデックス投資へのウェイトを増やした方が良いと思われます。
これは市場が敗者のゲームである以上、インデックス投資で手堅く資産形成する方法が否定できないためです。
現時点でのインデックス投資は、『確定拠出年金』と『毎日積み立ての投資信託』の2本のみ。
確定拠出年金は、日本株と米国株に5:5で資金を分配し、いずれもインデックスファンドの投資信託を買い付けしています。
毎日積み立ての投資信託として、『SBI・V・S&P500』、『SBI・V・全米株式インデックスファンド』、『SBI・V・米国高配当株式』を買っています。
【米国株】投資信託SBIバンガードSP500を1年積み立てた結果
投資信託|SBIバンガードS&P500を1年半気絶で積み立てた結果
資産増加|米国株初心者がSBI・V・S&P500を2年積立した結果
SBI•V•全米株式インデックス・ファンドを半年積み立てた結果
現在は投資額のほんの一部のみがインデックスファンド。
歳を重ねるごとに個別株のウェイトを減らし、インデックスの投資信託にシフトしていきます!
さいごに
今回は『敗者のゲーム』とは何かについて解説しました。
投資の世界は個人それぞれの投資目標があり、何が正解か断言するはできません。しかしながら、プロ集団のうごめく株式市場で利益を出したいと思うのであれば、インデックス投資を利用するのも一つの戦略です。
今回『敗者のゲーム』を読んで自分の投資スタンスをより明確にすることができました!
個別株投資とインデックス投資を組み合わせて、謙虚な姿勢で投資に望みたいと思います!以上、何か参考になれば幸いです。
敗者のゲーム〈原著第6版〉では、投資で市場平均を上回る成績を収めることの難しさが学べます。だからインデックス投資か個別株投資かを決め、自分の投資スタイルを確立できます!