株式投資

【株式投資】ANA業績悪化で赤字転落:コロナ感染拡大で配当見送り

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ANAホールディングス(9202)が4月28日に決算を発表しました。新型コロナ感染拡大により業績が悪化し赤字転落の決算となりました。先週に業績の下方修正を発表しており、株価はすでに本業績を織り込んでいる可能性がありますが、無配を発表しており投資家へのインパクトは大きな決算となりました。

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第4四半期の業績は赤字

第4四半期の営業利益はマイナス588億円、親会社に帰属する純利益はマイナス587億円と赤字となりました。この赤字幅は四半期決算としては最大となりました。

第3四半期までは国内線需要の拡大や国際線ネットワークの拡大が功を奏し、業績は堅調に推移しておりました。しかしながら第4四半期に入り、新型コロナウイルスの感染拡大が拡大したことで航空需要が急激に減少しました。

第4四半期の赤字を含めると、2019年度は営業利益が608億円(前年同期比△1042億円)、親会社に帰属する当期純利益が276億円(同△831億円)となりました。

配当金は無配

この業績を受け、配当金は無配となりました。未曾有の厳しい経営環境のもとでは、手元流動性を確保することが何よりも重要との理由から、止むを得ず無敗の決断を下したとのことです。

無配発表前は、3%強の配当利回りがありました。この利回りが一気に0%となるので、配当金目当ての投資家にとっては非常にダメージが大きいです。

一方で、会社の利益が激減していることを鑑みると、会社が倒産するのを回避するために無配を決断したと考えればとても堅実な対応です。事業を継続することで将来的な株主還元につなげたいという会社の意思表示と捉えております。

このような決断を下すほど、新型コロナウイルス感染拡大の影響が甚大であり、また先行き不透明の不安が大きいのだろうと思い知らされました。配当金投資家の僕としては非常に厳しい発表です。

旅客の大幅な減少

昨年の9月には成田=パース(豪州)を開設するなど新規就航の都市を増やし、ホノルル便には世界最大の旅客機エアバスA380を投入するなど、国際線での集客を期待しておりました。

しかしながら国際線は2020年1月から、国内線は2020年2月から航空需要が減少するなどし、2月からは受給改善のため減便や運休対応を迫られました。3月には前年同月比で極めて大幅な旅客の減少が見られております。


引用元:ANAホールディングス株式会社 決算説明会 2020年3月期決算

僕も3月と4月に米国へのフライトと国内のフライトを予約しておりましたが、いずれもキャンセルとなりました。コロナ対応ということで、どちらもキャンセル手数料も全てANAに負担してもらい有り難い対応をしてもらいました。今回の決算資料を見て、自分もさることながら、本当に航空の利用客が激減していることを実感させられました。

旅客減少への対応

4月28日、ANAは客足減少に向けた対応として国内線の運行計画の変更を発表しました。5月31日までの期間、119路線(25336便)の64%相当のにあたる112路線(16146便)の運行見直しを決めました。羽田=熊本線(1日5往復)や伊丹=鹿児島線(1日6往復)など68路線では運休、羽田=伊丹線(1日18往復⇨2往復)を含む33路線は減便するなど、大幅な路線削減に踏み出しました。

通常運行するのは僅か6路線で、いずれも1日あたりの運行本数の少ない札幌=新潟線(3往復)、札幌=秋田線(2往復)、伊丹=函館線(1往復)などの路線です。

客足が減る中、航空路線の効率化に向けて苦渋の決断が下されております。外出自粛の今止むを得ない状況だと思うので、なんとか創意工夫で乗り越えてもらいたいと願うばかりです。

2020年業績と今後の見通し

2021年3月期の連結業績予想は未定となりました。コロナ禍では将来の業績も正確に予想することが困難ということでしょう。業績の見通しが立ち次第の公表とされております。また配当金についても現時点では未定とされています。


引用元:Kabutanホームページ(ANAホールディングス)

4月28日の終値は2387円で、PBRは0.75倍です。上述の通り、2021年の業績予想が未定なのでPERや配当利回りは算出されておりません。

 

収益性も確認しておきます。

引用元:Kabutanホームページ(ANAホールディングス)

2020年は営業利益が1042億円のマイナスであったことから、売上高営業利益率やROE、ROAが大幅に減少しております。コロナの影響で仕方ないとはいえ、稼ぐ力は急速に悪化した格好となりました。

 

キャッシュ・フローも確認しておきます。

引用元:Kabutanホームページ(ANAホールディングス)

2020年は営業キャッシュ・フローが前年比で大きく落ち込み、フリー・キャッシュフローが大きくマイナスとなっており、無配となったのも頷けます。キャッシュ・フロー・マージンは2019年の14.4%から6.6%に大きく減少しており、営業キャッシュを稼ぐ力が急速に悪化しております。

 

財務についても確認しておきます。


引用元:Kabutanホームページ(ANAホールディングス)

自己資本比率は40%超、有利子負債倍率も1倍以下と現時点で財務状況は健全であると考えられました。一方で2020年は利益剰余金が頭打ちとなりました。

 

最後に月足チャートを確認しておきます。

引用元:Kabutanホームページ(ANAホールディングス)

2020年4月の安値は2060円です。新型コロナウイルスの感染拡大を受け急落していた株価ですが、今回の業績悪化は織り込んでいたと思います。一方で、今回の無配の発表を受けて株価がさらに下値を目指すのかはわかりません。もし2060円を割るような展開があれば、実に2013年以来の水準に到達します。

2018年まで右肩上がりの成長を続けてきた株価ですが、どこまで値を下げるのか慎重に見守りたいと思います。

かっぱ
かっぱ
厳しい状況が続くね、引き続きウォッチするよ!

* 本記事は個人の考えを述べたもので、特定の銘柄を推奨するようなものではありません。投資の判断はご自身でお願いいたします。

本ブログで記載している内容は全て個人の考えを示したものです。投資にはリスクが伴います。
特定の銘柄や事柄を推奨しているものではありませんのでご注意ください。

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