投資を始めると耳にする『バリュー株』と『グロース株』という言葉。一体どう違うのかよく分かりませんよね。
バリュー株は『割安株』、グロース株は『成長株』なんて呼ばれます。割安と言われれば『株価がなんだか安い』、成長と言われれば『業績が伸び続けている』となんとなくのイメージできるんですけど・・・
この記事はバリュー株とグロース株について、具体的に理解したい方に向けて書きました。
難しい言葉は使っていません。株式投資の初心者にもイメージしやすいように『バリュー株とグロース株の違い・見分け方』を説明しています。
違いを理解し、自分の投資スタイルに合った銘柄を見つけてくださいね!それでは最後までよろしくお願いします!
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— かっぱ⭐️配当金で資産形成 (@hibi_kappa) February 8, 2022
* 本記事は個人の考え方を述べるもので投資助言ではありません、投資の判断はご自身でお願いいたします
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バリュー株とグロース株の違い
株式の価値というのは、投資家の評価の上で成り立っています。だから毎日株価が変動するわけです!
そしてずばり!バリュー株とグロース株は
現在と将来のどちらを
評価されているか
が違います!
評価とは、会社の業績が好調か不調かを分析する『ファンダメンタル分析』のこと。チャートと睨めっこする『テクニカル分析』ではありません。
それではバリュー株とグロース株の違いを具体的に見ていきましょう。
バリュー株投資
バリュー株投資では『銘柄の本質的な価値』を分析します。現在の株価が本質的な価値よりも安いか高いかを判断しています。
こんな感じです。
グロース株投資
グロース株投資では『価値が将来伸びそうか』を分析します。将来も価値が伸びるなら買おう!価値が伸び悩みむなら売ろう!と判断します。
という感じです。
重要視するものの違い
バリューもグロースも
会社の業績分析で判断します!
バリュー株投資もグロース株投資も、チャートの形を分析するテクニカル分析ではありません。業績を重視するという点で、バリュー株投資もグロース株投資も同じなのです!
しかし業績の分析では
重要視するポイントが違います!
分析で重要視するものにどのような違いがあるでしょうか。次の章から順番に確認していきます!
バリュー株投資
バリュー株投資が重要視するのは『安さ』です。
本質的な価値と比べて
株価が安ければ買い!
高ければ売りです!
本質的な価値とは、現在の会社の利益、保有する現金や資産、支払う配当金などを合計したものです。
そして株価は時価総額に換算して考えます。時価総額とは『株価×発行株数』です。
本質的な価値と比べて時価総額が安ければ、割安で株を購入できるので、将来資産が拡大するだろうと考えています。
グロース株投資
グロース株投資が重要視するのは『将来成長するかどうか』です。
過去の売上高や利益が連続で増加
今後も売上高や利益が増加の予想
これが重要です!
たとえば業績推移、会社が出す業績予想を分析します。
また将来の市場の成長性、流行や話題性なども重要視します。
このようにして、会社が将来成長するかを分析していきます。
ネットネット株投資
バリュー株投資についてイメージしやすいように、ネットネット株投資について細く説明します。
グロース株投資では、将来の業績拡大といった希望や期待という手に取れないものを資産とみなしています。
逆にバリュー株投資家にとっての資産とは、価値を見出せる有形物のことです。つまり目に見えるもの手に取れるものが資産なのです。
バリュー株投資では会社が持っている現金や株式といったキャッシュフロー、土地などの固定資産などを資産とみなします。
アメリカの経済学者ベンジャミン・グレアムは『バリュー投資の父』と呼ばれていますが、彼の提唱した投資法に『ネットネット株投資』があります。
賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法
ネットネット株投資は『時価総額<(正味流動資産-負債総額)×66.7%』に相当する株に投資するというもの。
今この瞬間に会社の全株式を取得(会社を買収)して、次の瞬間に会社を清算した時、手元に残る金額がプラスであることを意味しています。
今すぐに会社の株式を全て取得して、次の瞬間に全て清算したら手元にお金がプラスで残るかどうかを判断する投資。バリュー投資の父ベンジャミン・グレアムが提唱した。
時価総額とは現在株価と発行株数で計算される額です。つまり現在の会社の価値を株価から判断したものです。
正味流動資産とは現金・預金・有価証券の全てです。
さらに固定資産(土地)や売掛金(商売で生じた利益で未だ受け取っていない利益)などを少し割り引いて加えます。
一方で負債総額とは、会社の抱えている負債100%全てのことです。
計算では66.7%に割り引いて判断しているので、かなり慎重に見積もっています。
それでも株価が割安だと判断できる銘柄がネットネット株なのです。
ネットネット株投資の考え方
時価総額 <(正味流動資産-負債総額)×66.7%
正味流動資産
- 現金・預金:100%
- 売掛金・受取手形:90%
- 商品:0%
- 投資・有価証券:100%
- 貸倒引当金:100%差し引く
- 固定資産(土地):30%
- 固定資産(有価証券):100%
負債総額:負債は100%差し引く
正味流動資産の考え方は投資家によって様々です。ここに示した割引率も人によって違います。商品についてはいつ売れるか分からないため資産からは除外して考えるのが一般的です。
割安な銘柄を探したい人には以下の記事が参考になります。
決算書を勉強したい人にオススメ|株式投資の企業分析に役立つ本7選
【初心者】投資を始めた頃の自分にオススメする!分かりやすい本7選
バリュー株投資の勉強本はコレだ!ためになるオススメの5冊を紹介
高配当株投資の勉強本おすすめ5冊|初心者が不労所得生活を目指す!
自分の投資スタイルはどちらか?
さて自分の投資スタイルはバリュー株投資でしょうか、グロース株投資でしょうか。
この疑問に答えるために、こんな考え方ができると思います↓
ここで注意したいのはどちらもファンダメンタル分析を徹底する堅実な投資法!であるということです。
シンプルにバリューかグロースか区別して考えると理解しやすく、ついつい議論が二極化してしまいます。人間は二元論にするとスッキリする生き物。だから『バリュー株はダメだ』とか『グロース株は優れている』といった議論をしがちなのです。
実際にはバリュー株投資とグロース株投資は複雑に関係しています。なので『バランスの問題』と考えると理解しやすいです。
自分の投資スタイルはどちらか?と問うより自分の投資スタイルはどちらに重きを置いているか?と問う方が正しいのです。
自分の投資スタイルに合わせて、バリュー株投資とグロース株投資の考え方のウエイトバランスを調整するのと良いでしょう。
- バリュー株 VS グロース株 の議論が絶えない
- 二元論はシンプルで分かりやすい
- バリュー株もグロース株もファンダメンタル投資
- 割安度も将来の成長性もどちらも大事
- 自分のスタイルは割安度と成長性のどちらに重きを置いているか?
大勝ちを狙うならグロース株投資
比較的短期間(数ヶ月・数年単位)で資産を倍増させてい場合、グロース株投資が有効と言われています。テンバガー投資などもその一例。
自分の投資方針が間違ってなかったか、数ヶ月単位での見直しが求められます。
投資方針の誤りがあれば、勇気を出して損切りする覚悟も必要です。
これはグロース株投資が『将来への期待』の上に株価が成長しており、期待が外れた瞬間に株価は大きく下落する可能性があるためです。
- 大勝ちを狙う
- テンバガー投資が一例
- 投資方針のこまめな見直しが極めて重要
- 株価には将来への期待が織り込まれていることに注意
グロース株投資の具体例については以下の記事も参考になります。
【株式投資】グロース株とは何か:成長株の特徴や銘柄について解説
【株式投資】僕が実践しているグロース株の探し方:勉強した本の紹介
【グロース株】時価総額は成長余地:これからも伸びる有望株を探索
ミドルリターン狙うならバリュー株投資
リスクを抑えながらミドルリターンを狙うならバリュー株投資と言われています。長期的(数年単位)で資産を増やしたい場合に有効です。
株価が上がらない・下がることにストレスを感じてはいけません。
株価が下がればラッキーです!
なぜなら市場参加者が本来の価値を見誤っているおかげで、バーゲンセールが到来したも同然だからです。
配当金収入をもらいながら、銘柄の保有に安心感を覚えることが大事です。そして投資方針のメンテナンスは年単位で十分です。
バリュー株投資の評価基準(例えばネットネット株の基準)から外れていないか、チェックするということです。
- ミドルリターンを狙う
- 銘柄に対する絶対的な自信が必要
- 株価が思い通りに動かなくてもストレスを感じてはダメ
- 株価が下がるならバーゲンセール
- 配当金収入をもらいながら気長に付き合う
- 年単位で保有株の評価を見直す
バリュー株投資の難しさ
銘柄の本質的な価値を推し量ることは難しいのですが、選んだ銘柄を長年保有し続けることはもっと難しいです!
数年経っても株価が上がらず、我慢できずに売ってしまうことがよくあります。
もし株価が下がってしまった場合、勇気を出して買い増しできますか?その銘柄を買うことに自信がなければ、株価下落で自分のセンスを疑い、買い増しに踏み切れません。
欲しかった洋服がバーゲンで安くなっている時は喜んで購入する人は多いです。
では保有銘柄のバーゲンセールで
買えないのは何故でしょうか?
この理由に気づくことができれば、バリュー株投資の本質を理解できるでしょう。
欲しかった洋服がセールで安くなれば喜んで飛びつく人も、保有銘柄が値下がりしたら不安になって売却してしまう。
銘柄の本当の価値を推計出来ていれば売却どころか喜んで買い増しするのだろう🤔
日常生活と株式市場が全く性質の異なるものだと認識して生活したいものです。
— かっぱ⭐️配当金で資産形成 (@hibi_kappa) April 4, 2021
株価下落で買い増しした事例を紹介しています👇
ファンダメンタル分析で大切なこと
グロース株投資であれバリュー株投資であれ、株式投資において重要なことは『強い意志を持つ』ということです。
今買う、今売る、今は買わない、今は売らない、と判断できる意思があるかどうか。強い意志は繰り返し銘柄を分析した自信から生まれます。
周囲がグロース株の値上がりに狂喜しているタイミングで割高だと判断できるか、周囲が株価の値下がりに恐怖を感じているタイミングで割安だと判断できるか、が大切なのです。
バリュー株投資で高い利益を上げる
割安な資産を買い、自分の予想が外れたらナンピン買いも辞さないことが大事です。
この姿勢を貫くことで、結果的に分析通りに株価が上昇すれば大きな利益が生じます。
そのためには銘柄の本質的な価値に関する見解を持っていることが重要です。
そして見解に基づいて我慢強く、値下がりしても買い続けることが重要です。
そしてその銘柄を買うという判断自体が間違っていないことは最も重要です。
【今スグできる】株式投資で成功するコツは投資記録をつけること
グロース株投資で高い利益を上げる
将来の業績が成長すると自信を持てる銘柄に投資することが大切です。
さらに自分の予想が外れれば失敗を認め、即座に損切りをすることが重要です。
グロース株のナンピンは禁物です!
グロース株は将来の成長期待により株価が割高になっています。株価下落に付き合うことは大変危険だからです。
さいごに
今回はバリュー株とグロース株について説明しました。
実際の投資では株価の割安度だけでなく、将来の成長性も考慮して売買することが重要です。つまりバリュー株投資の視点もグロース株投資の視点も大切ということです。