こんな疑問に答える記事です。
保有している株式がTOB(株式公開買い付け)対象銘柄となった場合、保有株式の買取に応じなければなりません。
単元株(100株単位)で保有している銘柄はTOB期間中に市場で売却できますが、端株(1株単位)で保有している銘柄はTOB期間中に市場で売却することができません。
この記事では、SBIネオモバイル証券で保有していた『NTTドコモ』がTOBにより上場廃止となった時に、どのような手続きで端株を売却したかご紹介します。
- ネオモバ保有銘柄がTOBされた場合の売買
- NTTドコモがTOBされた際のネオモバ株の処分方法
- 確定申告の必要性とその実際にやったこと
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TOBされた端株は市場で売却できない
2020年9月29日に日本電信電話株式会社(NTT)が、NTTドコモを完全子会社化すると発表しました。翌9月30日から11月16日まで、NTTはNTTドコモ株を買い集めてTOBを進めていきました。
TOB発表当時、僕はネオモバで5株だけNTTドコモ株を保有していました。
TOB期間中にさっさと売った方が楽チンだと考え、いざネオモバ口座を開くと・・・
『売りボタン』がクリックできない!?
という状態になっていました。
よく見ると画面右上に『監理銘柄指定』と書かれていました。
ある銘柄が上場廃止の恐れがある時に、その事実を投資家に周知するよう証券取引所から指定されている銘柄のことを『監理銘柄』と呼んでいます。
そしてSBIネオモバイル証券の『よくあるご質問』を調べてみると・・・
Q. S株(単元未満株)取引で保有株式が売却できません。どうしたらよいですか?
A. S株(単元未満株)取引では、通常1単元に満たない株式を売却することが可能ですが、以下の場合には売却ができません。
・S株(単元未満株)で同一銘柄を複数回購入し、合算した株数が単元株数に達している場合
・当該銘柄が「整理銘柄」「監理銘柄」に割当て等が発表された場合引用元:SBIネオモバイル証券HP よくあるご質問
『監理銘柄』に割当てが発表されると端株は売却できないと書いてありました!!
やってしまいました・・・!ということで、TOB期間中にネオモバのアプリを使って売却することができなくなってしまいました。
さて、どのように端株を売却することができるのか、実際にやったことを踏まえて情報をまとめておきます。
ネオモバでTOB銘柄を売却する方法
さて困りました!どのように銘柄を売却しましょうか。今回は以下の3つの売却方法がありました。
- 公開買い付け代理人の証券会社でTOB申し込み
- SBIネオモバイル証券に買取請求を依頼する
- 何もせずに保有し続ける
僕は①と②が面倒に感じたので、③を選択しました。③の方法を知りたい方は次の章をご覧ください。ここでは①と②について情報を補足しておきます。
公開買い付け代理人の証券会社でTOB申し込み
TOBが実施されると、公開買い付けを行う証券会社が決定されます。NTTドコモのTOBではモルガン・スタンレー証券が公開買い付け代理人となっておりました。
ネオモバなど代理人以外の証券口座で保有している銘柄は、モルガン・スタンレーの口座に株を移管してTOB申し込みをする必要がありました。
僕はモルガン・スタンレー証券に口座を開設しておりませんでしたので、『新規口座開設』、『ネオモバからの株移管』、『公開買付応募申し込み』と複数の手続きをする必要がありました。
たった5株の端株のためにこんな沢山の手続きは無駄すぎる!
と考えてこの選択肢はボツになりました。
ちなみにモルガン・スタンレー証券でTOB申し込む際の手数料は発生しないようです。
- TOBを行う際に公開買い付けを行う証券会社が代理人となる
- NTTドコモのTOBではモルガン・スタンレー証券が代理人
- まずモルガン・スタンレー証券の口座を新規開設する必要あり
- さらにネオモバから株式を移管する必要あり
- その上で公開買付応募申し込みをしなければならない
SBIネオモバイル証券に買取請求を依頼する
続いての選択肢は『SBIネオモバイル証券に買い取り請求を依頼する』というものです。この選択肢の最大のネックは手数料で、1銘柄あたり550円(税込)かかります。
僕の場合、ネオモバで保有していたNTTドコモ株は5株のみ、平均取得単価は2,900円くらい。TOB価格は3,900円だったので、たった5,000円の利益(税引前)に対して550円も引かれることになります。
11%も手数料徴収なんてあり得ない!!
と考えてこの選択肢はボツになりました。
上場廃止後はこの方法で買取はしてもらえないので、TOBが完了する前に余裕を持って手続きをするのが良いでしょう。
- SBIネオモバイル証券が買い取ってくれる制度
- 上場廃止になるとこの制度は利用不可
- TOB完了前に余裕を持って手続きを進める必要あり
- 手数料550円がかかるので注意
何もせずに保有し続ける
モルガン・スタンレー証券とSBIネオモバ証券を活用した売却手段は煩雑で無駄が多いと判断して、『何もせずに保有し続ける』という選択肢が残りました。このパターンでどのように支払いが進んでいくのか、次の章で実際にやったことを交えながら解説していきます。
TOB期間中に売却しなかった端株の処理
2020年11月17日、NTTによるNTTドコモのTOBが成立しました。といっても、SBIネオモバイル証券に保有していた僕の5株分はまだ買取が行われておりません。この後どのように手続きをすれば、支払いが完了するのでしょうか。
ネオモバポートフォリオから銘柄消滅
TOB完了後のある日、僕のNTTドコモの保有銘柄情報が表示されなくなりました。
こうなると『平均取得単価』などの情報が見られなくなってしまうので、TOBが実施されたら画面のキャプチャ等を撮っておくことをオススメします。『平均取得単価』は確定申告等で必要になる情報なので。
NTTドコモから通知が届く
TOB期間に買取に応じなかった株式については、TOB価格(今回は3,900円)で強制的な買取が行われることになります。この買取通知が来るはずなのですが、待てど暮らせど通知はやってきません。
年を跨いだ2021年の1月下旬、ようやくNTTドコモより『上場廃止後の当社株式の取り扱いについて』という通知が届きました。この通知によると、NTTドコモの上場廃止日は2020年12月25日で、2020年12月28日時点の株主名簿に記録されている株主に対して、金銭の支払いが行われるということでした。
- 対象者:2020年12月28日時点の株主名簿に記載された株主
- 取得日:2020年12月29日
- 支払予定:2021年3月上旬以降
- 受渡対価:普通株式1株あたり3,900円
支払い予定日が3月上旬以降!?だいぶ時間がかかるんやな・・・
上場廃止から3ヶ月近く先の支払いが予定されており、時間が掛かるようです。受渡対価はちゃんとTOB価格の3,900円となっておりました。
支払い方法は、配当金の受け取りで指定している銀行口座振込かゆうちょ銀行・郵便局の窓口での現金引き換えとなるようです。ただし、証券会社口座振込を指定の株主は、ゆうちょ銀行・郵便局の窓口での現金引き換えとなります。
- 配当金の受取指定の銀行口座振込
- もしくはゆうちょ銀行・郵便局窓口の現金引換
- ただし配当金を証券会社口座振込に指定の場合はゆうちょ銀行・郵便局窓口の現金引換
ネオモバから特定口座内保管上場株式等払出通知書が届く
漢字が並びすぎていてよく分からない通知書が届きます。『特定口座にあった株式をTOBのために取り出しましたよ』という通知です。
この書類には、払出日や銘柄名の他に、その数量や取得の日付(それぞれの株の購入日付)、そして取得単価(こちらは全株の平均取得単価)が記載されています。
特定口座から払い出されているので、利益については自分で確定申告をして納税する必要があります。
この通知書は確定申告の際の資料として使用することができますので、大切に保管しなければなりません。僕は実際にこの通知書を資料として使用して確定申告を行いました。
NTTドコモから株式売渡対価の支払いの案内が届く
3月4日に『交付金銭領収書』と『交付金銭計算書』が郵送されてきました。1株あたり3,900円の支払いで、保有株数だけ交付金銭計算書に支払額が記載されています。
普段設定している『配当金の支払い方法』に応じて、以下の方法で支払いされます。配当金を銀行で受け取っているか、証券口座で受け取っているかで対応が異なります。
- 配当金の支払いを銀行口座振り込みにしている場合:3月4日付で株式売渡対価を指定の銀行口座に振り込み
- 株式数比例配分方式(証券口座への振込)を指定している場合:上場廃止に伴い、証券会社の口座には振り込みできないため、③の方法に従う
- 配当金の支払いを銀行口座振り込みにしていない場合:交付金銭領収書を『ゆうちょ銀行または郵便局』の窓口に持ち込み、現金を受け取る
なお③番の注意点は2つです。まず払渡しの期間が2021年3月4日〜2021年4月5日と短いので、速やかに現金を受け取る必要があります。また支払い金額が5万円以上となる法人の株主は『通常現金払(払出証書)』が必要です。こちらの払出証書については後日届くようです。
郵便局で払渡ししてもらう
僕の場合、前項の②番に該当していました。よって郵便局で現金を受け取ることになります。さっそく交付金銭領収書を握りしめて郵便局に行ってきました。
事前準備として、交付金銭領収書に押印しておく必要がありますのでご注意ください。押印した領収書を郵便局に提出し、身分証等を使って本人確認を行います。あとは1分ほど待つだけで現金を払い出してくれます。
- 郵便局に行く前に、交付金銭領収書に捺印しておく
- 郵便局には、本人確認できる書類や証明書を持っていく
思いのほか、あっという間に終わりました。3,900円/株×5株で19,500円を受領しました!なお領収書はそのまま郵便局が受け取るので持って帰ることはできません。手元に残るのは交付金銭計算書だけです。
これで全ての手続きは終了です!お疲れ様でした!
さいごに
今回はSBIネオモバイル証券で保有している端株がTOBされた時の対応についてまとめました。通常の単元株であればTOB期間中に市場で自由に売買できますが、端株の場合売却できないことがあるので注意しなければなりません。端株の売却方法にはいくつか選択肢があるので、自分にあった選択肢で適切に処理しなければなりません。できれば無駄の少ない方法で、賢く売却したいですね!
この記事が何か参考になれば幸いです。
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