過去に損益計算書で見るべき項目についてご紹介しました👇
今回は損益計算書を用いて、会社の収益性を分析するための指標についてご紹介します
会社がどれくらい上手く利益を出す力があるのかを分析する上で役立つ指標です
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売上高成長率
損益計算書から会社が利益を出す力について分析する指標の一つに『売上高成長率』があります
今年の売上高が前年の売上高と比べて何%増加したかを表します
売上高が増収であればプラス、減益であればマイナスというシンプルな指標です
売上高成長率 (%) = (当期売上高 – 前期売上高)÷ 前期売上高 × 100%
売上高営業利益率
損益計算書から会社が利益を出す力について分析するもう一つの指標に、『売上高営業利益率』があります
売上高営業利益率は、営業利益率を売上高で割って求めます、簡単ですね!
会社がモノやサービスを売って儲けたお金の全てが売上高、
そこから売上原価(原材料費など)と販管費(宣伝費用など)を引いたものが営業利益でした
そもそも営業利益とは、会社の事業(本業)で稼いだ儲けを表す指標でした
売上高営業利益率は、売り上げからどれだけ営業利益を生み出せたかを表しています
つまり本業で稼ぐ力を反映した指標となります
業界によって異なりますが、売上高営業利益率は10%を上回れば稼ぐ力があると判断できます
売上高営業利益率 (%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100%
製薬企業の収益性について分析してみる
それでは実際に収益性を分析してみます
国内製薬企業の大手5社の収益性分析をやってみましょう
武田薬品工業(4502)、アステラス(4503)、第一三共(4568)、中外製薬(4519)、エーザイ(4523)が対象です
売上高
2016年から2020年(予想)までの売上高を確認します
武田薬品工業は、2019年にシャイアーの買収を完了しております
このシャイアー買収による大きな増収予想が目立ちます
売上高成長率
それでは売上高成長率を計算してみましょう!
前述の通り、武田薬品工業ではシャイアー買収効果により売上高は大きく成長しております
一方で、アステラスや第一三共ではマイナス成長率も目立ち、成長の鈍化がみられます
2017~2018年以降、中外製薬やエーザイではプラス成長していることがわかります
営業利益
2016年から2020年(予想)までの営業利益を確認します
中外製薬は2020年の営業利益予想を公表していないので、カラム表示しておりません
営業利益の推移は各社で大きく異なることがわかります
中外製薬やエーザイではこの4~5年間で安定して営業利益を伸ばしていることがわかります
売上高営業利益率
お待ちかねの売上高営業利益率を計算してみましょう!
中外製薬は2020年の営業利益予想を公表していないので、カラム表示しておりません
武田薬品工業は2020年予想で0.3%と、売上高営業利益率は大きく低下しています
アステラスはこの5年間、18%前後という高い売上高営業利益率を維持しております
第一三共は、2017~2019年で10%を下回ったものの、2020年予想では13.9%と高い売上高営業利益率となる見込みです
中外製薬では2016~2019年で連続して売上高営業利益率が増加しました
2019年は30%を上回る高い売上高営業利益率を示しました
エーザイも同様に、2016年から2020年まで連続で売上高営業利益率を続伸させる見込みです
おわりに
以上、会社の収益性の分析のために必要な『売上高成長率』と『売上高営業利益率』についてまとめました
同じ業界内で比較することで、会社ごとの特徴が浮き彫りとなって面白いですね
今後も色々な業界で収益性の分析をやってみようと思います
* 本記事は特定の銘柄を推奨するようなものではありません、投資の判断はご自身でお願いいたします