企業分析をするために財務三表を読めるように解説していきます
この記事では損益計算書に記載されている内容とその意味について紹介します
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損益計算書に記載されている内容
損益計算書から読み取るべき項目は、
『売上高』,『売上総利益』,『営業利益』,『経常利益』,『税引前当期純利益』,『当期純利益』です
難しい言葉が並んでいてイメージしずらいですね
その算出方法と意味することについて、具体的に解説していきます
売上高
サービスやモノを販売した金額そのものです
業界によっては、『営業収益』と呼ぶ場合もあります
おにぎり屋さんが、100円のおにぎりを1万食売り上げれば、売上高は100万円になります
売上総利益
売り上げから『売上原価』と呼ばれる費用を差し引いた金額で、『粗利』ともいいます
売上総利益 = 売上高 – 売上原価
売上原価とは、モノを作ったりサービスを提供したりする際にかかる費用です
おにぎり屋さんでいうと、おにぎりを作るためのお米や海苔を買うのに必要なお金のことです
おにぎりを作る従業員の給料(人件費)や炊飯器、水道光熱費なども含まれます
つまり商品を作るために必要だった費用を売上高から全て引いたものが売上総利益です
売上総利益は利益の源泉であり、いかに大きくするかが会社の最終利益にとって重要です
したがって売上総利益は会社がモノやサービスを売り儲ける力(付加価値を生み出す力)を表します
営業利益
売上総利益から、『販売費及び一般管理費』を引いた金額です
営業利益 = 売上総利益 – 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費とは、商品を売るための宣伝に必要なお金です
それから店舗やオフィスの管理にかかるお金も含まれます
おにぎり屋さんでは、販促用のチラシや店舗の賃貸料、新商品開発に必要な研究費などです
営業利益とは売上総利益から事業に必要なお金を差し引いた金額です
おにぎり屋さんでいうと、おにぎりを販売することでどれだけ稼いだかを表しています
つまり本業でどれだけ稼いだかを表すのが、営業総利益です
経常利益
経常利益は、営業利益から『営業外収益』を足して、『営業外費用』を差し引いた金額です
経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 – 営業外費用
営業外収益とは、みんな大好き「利息」や「配当金」のことです
実は会社もお金を銀行に預けたり、株式を保有したりしています
なので銀行からの利息や株式からの配当金、またその売却益などが得られるわけです
一方で営業外費用とは、お金を借りた時に支払う利息や為替レート変動による損失などを指します
会社の販売する商品に直接関係のない費用ですが、会社を経営する上で欠かせないものです
つまり経常利益は、会社の事業以外の損益を踏まえた利益を表しています
おにぎり屋さんで言うと、おにぎりを売ること以外で稼いだ金額を反映した金額です
税引前当期純利益
経常利益に『特別利益』を足して『特別損失』を引いた金額です
税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 – 特別損失
特別利益と特別損失とはその名の通り特別な損益のことで、一時的な損失を指します
例えば固定資産を売却することで得られる利益や災害などにより被った損失のことです
おにぎり屋さんでいうと、台風などで店舗が壊れ、修繕費が必要になれば特別損失となります
つまり税引前当期純利益とは、決算の対象期間に特別な事情により生じた損失を反映させた金額を表しています
当期純利益
経常利益から、事業活動にかかる『税金』を差し引いた金額で、『最終利益』ともいいます
当期純利益 = 税引前当期純利益 – 税金
企業の活動にも様々な税金がかかります
法人税や住民税などがその対象です
支払う税金を全て差し引いた金額が当期純利益となり、まさに最終的な儲けを表します
株主に支払われる配当金も、この当期純利益から支払われることとなります
配当金支払いの安全性の指標である『配当性向』もこの当期純利益をもとに計算されます
配当性向 = 配当金支払い総額 / 当期純利益
つまり企業の儲けの指標としても重要ですし、株主還元の指標にも重要なわけです
さいごに
以上、損益計算書で見るべき項目とその内容について解説しました
損益計算書の分析を通して、会社がどれくらい上手に稼いでるかを実際に分析してみたいですね
何かの参考になれば幸いです