株式投資

【四季報2020秋】銘柄スクリーニング:好業績の成長銘柄を探索③

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2020年秋号の四季報を読み漁り、業績が良く、成長を続けている企業をピックアップしました。好業績企業として本ブログで取り上げた銘柄が、その後どのような株価推移を示したかご紹介します。第一弾第二弾に続き、今回は12銘柄紹介します。

【注意】本記事はあくまでも筆者の備忘録であり、特定銘柄を推奨するものではございませんのでご注意ください。

この記事を書いた人

投資家かっぱ

資産形成に取り組むサラリーマンかっぱ。配当株と成長株のダブル投資戦略により、豊かな資産を築きのんびりと生活するのが夢。Twitterでも投資に関して呟いています。

* 本記事は特定の銘柄を推奨するようなものではありません、投資の判断はご自身でお願いいたします 

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スクリーニング基準

以下の観点から企業の絞り込みを行いました。オプションで示すものは必須ではありませんが、着目したポイントです。

スクリーニング指標
  1. 長期業績推移が売上高、営業利益ともに右肩上がりの傾向
  2. ROEが15%以上である
  3. 営業利益率が高い(オプション)
  4. 自己資本比率が高い(オプション)
  5. 時価総額が小さい(オプション)
  6. ニューノーマルに対応している(オプション)

さっそく確認していきます。各種指標は以下の通り記事更新時に最新のものを記載しました。

参考にした指標
  1. マーケット:銘柄コード
  2. 業種:
  3. 営業利益率:最新の実績%
  4. ROE:最新の実績%
  5. ROA:最新の実績%
  6. 自己資本比率:最新の実績%
  7. 時価総額:2021年2月10日時点

数値については独自に収集したものであり、必ずしも四季報のものとは一致していない点ご容赦ください。

エニグモ

ソーシャル通販サービス『バイマ』を展開する企業です。巣篭もり需要の高まりを背景に、eコマース銘柄として注目しています。

9月30日 終値 1657円
2月10日 終値 1332円(-20%)
期間中最高値 1657円(0%)
期間中最安値 1162円(-30%)

右肩下がりのチャートを形成してしまいました。特に材料等はなく、EC関連株の安値に押される形で下落トレンドを形成しているように感じます。1月末に当初無配としていた配当を10円/株に修正すると発表され、株価は出来高急増を伴った上昇をみせています。

エニグモ
  1. 東証一部:3665
  2. 業種:建設
  3. 営業利益率:44.2%
  4. ROE:28.9%
  5. ROA:23.3%
  6. 自己資本比率:83.4%
  7. 時価総額:568億円

売上高営業利益率は驚異の44.2%、ROEやROAも30%に迫るなど、高収益体質であるとわかります。自己資本比率も83.4%となっており、財務も健全であると考えられます。

時価総額は568億円と小型株で成長余地ありだと考えられます。連続最高益となる見通しで、更なる成長となるか注目していきます。

メディアドゥ

電子書籍取次で国内首位の企業です。主要顧客にはLINEマンガがいます。巣篭もり生活で書店にも足を運べないような生活スタイルでは、電子書籍は需要が高いと考えられます。2021年2月期はすご盛り需要で電子書籍の取次が想定を上回りました。

9月30日 終値 7610円
2月10日 終値 6500円(-15%)
期間中最高値 9090円(+19%)
期間中最安値 6040円(-21%)

10月中旬に向けて株価が大きく上昇しました。その後は上げ下げを繰り返しながら7000円前後のボックス圏を推移しました。

メディアドゥ
  1. 東証一部:3678
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:44.2%
  4. ROE:28.9%
  5. ROA:23.3%
  6. 自己資本比率:83.4%
  7. 時価総額:568億円

営業利益率は高くはありませんが、ROEは15%を上回っており、高収益であります。自己資本比率が低いところが懸念点だと思っています。

GMOペイメントゲートウェイ

EC(電子商取引)市場で決済処理サービスを展開しています。コロナ禍ではキャッシュレスの需要拡大も見込まれ、金融事業を強化しています。

9月30日 終値 11240円
2月10日 終値 15810円(+41%)
期間中最高値 16300円(+45%)
期間中最安値 10850円(-3%)

綺麗な右肩上がりチャートとなりました。短期の移動平均線を中期の移動平均線がサポートしながら、力強い株価上昇です。

GMOペイメントゲートウェイ
  1. 東証一部:3769
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:31.4%
  4. ROE:26.2%
  5. ROA:4.6%
  6. 自己資本比率:16.5%
  7. 時価総額:1兆1758億円

営業利益率は30%前後と非常に高いです。ROEも25%を上回っておりますが、ROAとの乖離に見られる通り、自己資本比率が低い点が懸念点です。

eBASE

商品情報管理ソフトである「eBASE」を開発し、食品、日用雑貨、住宅、ホームセンターなどの業種別のサービス展開をしています。

9月30日 終値 1369円
2月10日 終値 987円(-28%)
期間中最高値 1369円(0%)
期間中最安値 923円(-33%)

9月30日以降、一度も値を上げることなく株価は下落トレンドとなってしまいました。10月30日の決算では経常利益を17%減益予想、配当金についても18%の減配を発表しました。この発表に伴い株価は暴落しました。

eBASE
  1. 東証一部:3835
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:29.1%
  4. ROE:20.5%
  5. ROA:18.4%
  6. 自己資本比率:89.9%
  7. 時価総額:466億円

実績ベースでは営業利益率、ROE、ROAともに高い利率をほこり、自己資本比率も89.9%と十分な水準です。時価総額が466億円と小型で、成長余地がある点にも注目しています。

マークラインズ

こちらはスクリーニング以前から注目しリスティングしていた銘柄です。自動車産業に特化したWeb情報サービスを展開しています。またコンサルティングや人材紹介も行っています。

9月30日 終値 2344円
2月10日 終値 2615円(+12%)
期間中最高値 2855円(+22%)
期間中最安値 2124円(-9%)

9月30日以降、12月中旬に向けて株価は成長していきました。11月5日の出来高を伴った陽線は、3Q決算で6%増益と発表されたのを受けたものです。その後利益確定売りをこなしながら株価が上昇していきました。年末から2月に向けては2500円〜2600円のボックス圏で推移しています。

マークラインズ
  1. 東証一部:3901
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:36.7%
  4. ROE:26.6%
  5. ROA:19.0%
  6. 自己資本比率:72.0%
  7. 時価総額:345億円

営業利益率、ROE、ROAいずれも高く、収益性が高いことがわかります。自己資本比率も問題ない水準です。長期的に増収増益で、引き続き注目していきたいと思っています。

ダブルスタンダード

ビッグデータ関連で、こちらの銘柄もスクリーニング以前から注目しており、ネオモバで保有しております。企業向けにビッグデータサービスを展開しています。データ統合に強みを持ち、SBIグループとの資本関係を結び、金融分野の強化も図っています。21年3月期は2桁の増益となりました。

9月30日 終値 5070円
2月10日 終値 4500円(-11%)
期間中最高値 5070円(0%)
期間中最安値 4060円(-20%)

右肩下がりのチャートから分かる通り、残念ながら9月30日の終値が期間中の最高値となりました。11月16日の出来高を伴ったGDは、前週の2Q決算で上期経常利益が16%減益となったのを受けての動きです。その後もズルズルと株価が下落していましたが、1月以降移動平均線は中期線を含めて上向きのトレンドとなっています。

ダブルスタンダード
  1. 東証一部:3925
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:30.0%
  4. ROE:37.0%
  5. ROA:29.3%
  6. 自己資本比率:78.9%
  7. 時価総額:306億円

営業利益率、ROE、ROAに見られる通り、収益性は非常に高いです。自己資本比率も高く、財務面でも問題なさそうです。時価総額は306億円と成長余地ありと考えています。

Ubicomホールディングス

オフショアのシステム開発と医療関連ソフトに注力しています。メディカルが好調で連続最高益となっています。

9月30日 終値 2645円
2月10日 終値 3185円(+20%)
期間中最高値 4070円(+54%)
期間中最安値 2480円(-6%)

期間中最高値は+54%高と、非常に大きな株価成長となりました。11月12日に発表した2Q決算で上期経常利益が12%増益となるなど、好調な業績を反映した株価推移でした。1月以降は移動平均線の短期線が中長期線を下抜いていくなど下落トレンドとなっています。最新の3Q決算でも経常利益が28%増益となるなど、好調な業績を継続しています。

Ubicomホールディングス
  1. 東証一部:3937
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:17.5%
  4. ROE:27.3%
  5. ROA:15.5%
  6. 自己資本比率:58.4%
  7. 時価総額:374億円

こちらも営業利益率、ROE、ROAともに高く、自己資本比率も問題ないと考えられました。時価総額は374億円と小さく、成長余地も十分だと思っています。

カナミックネットワーク

自治体、医師会、介護サービス事業者向けのクラウドサービスを展開しています。無借金経営である点も注目しています。

9月30日 終値 808円
2月10日 終値 777円(-4%)
期間中最高値 949円(+17%)
期間中最安値 686円(-15%)

全体的には右肩下がりのチャートとなりました。11月9日の出来高急増は今期も2桁の増収増益を見込み最高益更新を継続、配当金も0.5円増配との予想を受けたものです。しかしながらその後も株価は売られる展開が続いています。2月4日に発表した1Q決算でも2倍増益ということで、出来高急増を伴う株価上昇となりました。

カナミックネットワーク
  1. 東証一部:3939
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:34.8%
  4. ROE:27.8%
  5. ROA:22.8%
  6. 自己資本比率:82.8%
  7. 時価総額:374億円

営業利益率、ROE、ROAともに高く、自己資本比率も十分の水準です。時価総額は374億円と小型であることがわかります。

エイトレッド

以前より注目していましたが、直近ではぐんと株価が上昇してしまいました。社内での申請や承認、決済などを電子化するためのワークフローソフトを作っている会社です。ペーパーレス化が叫ばれる中、需要の高まりがあると考えられます。

9月30日 終値 2781円
2月10日 終値 2570円(-8%)
期間中最高値 3255円(+17%)
期間中最安値 2464円(-11%)

ペーパーレス関連でインフォマートと協業を発表した9月10日以降、株価は急騰していました。10月の決算発表では上期22%増益を発表するも株価は反落し、その後2500円〜2800円のレンジで推移しています。最新の決算でも増益を発表しており、テレワーク加速の中でクラウド関連サービスにとって追い風の状況となっています。

エイトレッド
  1. 東証一部:3969
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:36.2%
  4. ROE:16.4%
  5. ROA:12.4%
  6. 自己資本比率:76.6%
  7. 時価総額:192億円

営業利益率は36%と非常に高いです。ROEやROAも10%超えで高収益であると考えられます。自己資本比率も問題なく、時価総額は192億円ということで、十分に成長余地がありそうです。

野村総合研究所

野村系SIで、リサーチからコンサル、システム開発・運用の一貫体制です。テレワークの増加やフィンテックなどの新技術普及が追い風となる、デジタルトランスフォーメーション関連の銘柄です。

9月30日 終値 3095円
2月10日 終値 3600円(+16%)
期間中最高値 4050円(+31%)
期間中最安値 2890円(-7%)

右肩上がりに株価が成長し、一時30%を上回る株価上昇が認められました。最新の3Q決算発表では上方修正を発表し、経常利益を3%増益、増配となりました。しかしながら材料出尽くしの色が強まり、株価は出来高を伴って急落しています。

野村総合研究所
  1. 東証一部:4307
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:15.7%
  4. ROE:20.3%
  5. ROA:12.1%
  6. 自己資本比率:50.9%
  7. 時価総額:2兆3068億円

営業利益率、ROE、ROAから高収益体質であると考えられました。時価総額は2兆円に迫り、大型株です。

インフォコム

こちらは以前より保有している銘柄で、『めちゃコミ』で有名な電子コミックが主力の銘柄です。医療や介護向けにITサービスも展開しており、電子コミックと合わせて二本柱のサービス展開となっています。電子コミック需要の高まりを受けて、連続最高益を達成。

9月30日 終値 4040円
2月10日 終値 3085円(-24%)
期間中最高値 4455円(+10%)
期間中最安値 2975円(-26%)

綺麗な右肩下がりとなっています。移動平均線も短期線が中期線をうわ抜けることができません。ついには長期線もしっかりと下向いてきました。反発にはしばらく時間がかかりそうです。最新の3Q決算では経常利益が15%増益、配当金も増配が発表され業績面は好調ですが、材料出尽くしの色が強く、株価の下落に歯止めがかからない展開です。

インフォコム
  1. 東証一部:4348
  2. 業種:情報・通信
  3. 営業利益率:14.1%
  4. ROE:16.2%
  5. ROA:12.1%
  6. 自己資本比率:74.4%
  7. 時価総額:1777億円

営業利益率、ROE、ROAから高収益であることがわかります。自己資本比率についても十分高い水準です。時価総額は2000億円を上回り、小型とまでは言えないものの、好調な業績を背景にさらなる成長を期待しています。

さいごに

高収益な12銘柄をピックアップしましたが、好調な業績を背景に株価を伸ばす銘柄と、材料出尽くしで伸び悩む銘柄と明暗が分かれていることが分かりました。株式投資はつくづく難しいと思い知らされる結果です。

第四弾でも10銘柄程度ピックアップしています。よろしければご覧ください!

【四季報2020秋】銘柄スクリーニング:好業績の成長銘柄を探索④

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本ブログで記載している内容は全て個人の考えを示したものです。投資にはリスクが伴います。
特定の銘柄や事柄を推奨しているものではありませんのでご注意ください。

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