株式投資

【株式投資】会社の経営分析!ハイリスクなレバレッジ経営を見極めよう!

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銘柄選定において会社の経営分析は極めて重要です

高成長株は株価の大きな上昇が見込めますが、中にはレバレッジを効かせたハイリスク経営をしている企業もあります

レバレッジ経営とは、金融機関などから多額の借入をすることで資産を増やし、積極的に事業展開する経営戦略のことを指します

事業が失敗し利益が伸び悩んだ際に、借入金の返済が滞り倒産を招く可能性のあるレバレッジ経営はリスキーであると考えられます

このように投資する前に会社のレバレッジを分析することは重要です

早速その分析方法についてご紹介します

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レバレッジ経営はROEとROAの2指標で見抜く!

レバレッジ経営はROE「アールオーイー」とROA「アールオーエー」の2指標で分析します

この2指標は会社の収益性分析でよく登場する指標たちです

どのくらい効率的に利益を稼いだかを表す指標ですが、その中身が少し違います

まずはこれら指標について解説します

ROEを理解する!

ROEは『Return on Equity』の略で、日本語では『自己資本利益率』といいます

『Equity』は『自己資本』という意味です

『当期純利益』を『自己資本』で除して100%を掛け合わせ算出します

株主から集めたお金(自己資本)に対し、どのくらい純利益があるかをみているわけです

近年投資先を選定する際に頻繁に利用されている指標で、会社が株主に対しどの程度責任を果たしているかという分析に使える指標です

ROEは高ければ高いほど、株主から集めた自己資本を上手に活用し利益を上げていることを示します

ROAを理解する!

ROAは『Return on Assets』の略で、日本語では『総資産利益率』といいます

『Assets』とは『総資産』という意味です

『当期純利益』を『資産』で除して100%を掛け合わせ算出します

先ほどのROEと比較し、分母の『自己資本』が『資産』に変わっているとこがミソです!

ROEでは自己資本に対する収益の効率を見ていましたが、ROAでは会社の有する資産全体に対する収益の効率性を表しています

ROAは高ければ高いほど、資産を上手に活用して利益を上げていることを示します

ROEとROAの差を分析する!

レバレッジ経営はROEとROAの差を見ることで分析できます

その理由を下の図を用いて解説します

これまでに解説したROEとROAを同じ図の上に載せてみました

注目すべきは会社の資産が『自己資本』と『他人資本』から構成されているという点です

ここで登場した『他人資本』とはなんでしょうか

会社は事業活動をするために株主から調達する自己資本の他に、銀行からの借入金を資産として有しています

銀行からお金を借りることで資産を大きくし、積極的に事業を展開することができるわけです

例えば自己資本が100億円の企業が、自己資本のみで事業を展開すれば100億円の活動しか行えません

一方で自己資本に加えて、他人資本を100億円借りれば、200億円分の活動を行うことができます

つまり2倍の資本を活用して様々な事業にチャレンジできるのです!

これが『レバレッジ経営』と呼ばれるものです

ROEは『自己資本』に対する利益率を、ROAは『自己資本+他人資本』に対する利益率を表していました

つまりROEとROAの差は、自己資本と他人資本への依存度の割合を表しているのです

実際にレバレッジ経営について分析してみる

それでは実際にレバレッジ経営について分析してみましょう

今回分析対象としたのは通信大手3キャリアのKDDI(9433)、ソフトバンク(9434)、NTTドコモ(9437)です

左から順にKDDI、ソフトバンク、NTTドコモの3年分のデータが並んでいます

赤色はROEを、青色はROAを、そして緑色でROEとROAの差を表しています

KDDIとNTTドコモはROEが10%強と高い収益率を示しています

一方でソフトバンクは30%以上の非常に強力な収益率を示しています

ROAを見てみますと、やはりKDDIとNTTドコモで同程度の10%弱の値を示しています

ROEの高かったソフトバンクですが、ROAはいずれの年もKDDIやNTTドコモと比べると低い値を示しています

またソフトバンクのROEは年々増加傾向にありますが、ROAは年々減少しており、結果としてROE-ROAは年々増加傾向にあります

以上の傾向から、ROE-ROAはKDDIやNTTドコモと比較してソフトバンクで突出して高く、ソフトバンクはレバレッジ経営を行っているということが分かりました

さいごに

今回は収益性を表すROEとROAを用いてレバレッジ経営の有無について見抜く分析について解説しました

はじめは同じ収益性の分析なのになぜ2つの指標が知られているのか疑問でした

会社の資産は自己資本と他人資本から構成されており、その両資本に対する収益性の効率を算出する必要があります

またその2つの指標から、会社が他人資本に依存する割合を分析することができました

これら指標を使って、自分の投資方針にあう銘柄をうまく選定したいものです

何かの参考になれば幸いです

ROEについてはこちらも参考になります(PERやPBRとの関係)👇

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