パスタ料理に入れておいしいのが豚の塩漬けです。僕はこれまでに何度も豚バラ肉の塩漬けパンチェッタを作ってきました。今回は趣向を変えて、豚の頬肉(豚トロ肉)で作るグアンチャーレという塩漬けレシピをご紹介します。
- グアンチャーレの作り方
- グアンチャーレを使った料理の作り方
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自家製グアンチャーレを作る
グアンチャーレは豚の頰肉(豚トロ)の塩漬けです。
ネット販売でも手に入れることができますが結構値段が高いので、自家製がオススメです。
塩漬けと塩抜き後の乾燥工程を経て、3週間で完成します。基本的なレシピはパンチェッタと同様です。
- 豚の頰肉(豚トロ)の塩漬け
- パスタに使うとめっちゃ美味しい
- 調理日程は3週間
- 作業工程は塩漬け→塩抜き→乾燥
次の章で具体的なレシピをご紹介していきます!
豚頰肉ブロックを購入する
まずはお肉を手に入れるところからです!実は、スーパーに並ぶ豚トロ肉はどれもカット済み、ブロック肉を手に入れるのは少し難しいです。
そこで訪れたのが精肉店!
事前に電話したところ、『豚トロのブロックはありますよ!』と教えてもらえたので安心して向かいました。目の前で塊肉から豚トロの塊を摘出し、綺麗にトリミングしてくれました。
- 豚の頰肉のブロックが必要
- スーパーになければ精肉店に相談してみる
ブロックがなくてもグアンチャーレを作りたい!!という人は『スライス肉』で挑戦してみてください。自家製グアンチャーレ|ブロック肉が無い時にスライス肉で作るレシピ
豚頰肉を岩塩で脱水させる
帰宅後、早速塩漬けの準備を開始しました。肉の重量は321gでしたので、約3%の塩(10g)で脱水をしていきます。
今回は微細粒のヒマラヤ岩塩を使いました。粗挽きのヒマラヤ岩塩と比較して、微細粒の方が肉への浸透が早く脱水が進みやすいです。
肉の厚みを確認したところ1-2cmほどしかありませんでした。
肉に厚みがある場合、フォークなどで穴を開けることで塩の浸透が良くなります。
今回は厚みがなかったためそのまま塩を塗り込んで行きました。肉の衛生面に注意するため、全ての作業はビニール手袋をして進めます。
この状態のままキッチンペーパーに包んで、一晩冷蔵庫で寝かします。包んだ肉は金属バットの金網の上においておくと良いです。
- 肉が分厚い時はフォークで穴を開ける
- ビニール手袋をつけて作業する
- 3%のヒマラヤ岩塩を肉の両面に塗り込む
- 微細粉末の岩塩だと脱水が進みやすい
- キッチンペーパーで肉を包み、冷蔵庫内で一晩寝かせる
- 金属バットと金網を使うと良い
香り付けして塩漬けする
一晩経つとドリップと呼ばれる水分が滲み出ています。脱水が進んでいる証拠です。
ここでブラックペッパーを使って香り付けしていきます。今回はミルで挽いたブラックペッパーを使うことにしました。
ミル挽きした黒胡椒は香りが強く、香り付けに最適です。
さらに10gの岩塩を追加で練り込んで、さらなる脱水を促進させていきます。そしてキッチンペーパーを換え、再び冷蔵庫で塩漬けを進めていきます。ここから1週間ほど冷蔵庫で寝かしていきます。
そこでピチットシートを使い浸透圧効果によりしっかりと脱水することにしました。ピチットシートは『水あめ成分』と『海藻成分』による浸透圧作用により、食品の水分や臭みを取り除いてくれる優秀なキッチン用品です。
パンチェッタの調理やお刺身の臭み取り、干物の調理などにも使えます。
- 一晩でドリップが滲み出てくる
- 挽きたてのブラックペッパーで香り付けする
- さらに3%のヒマラヤ岩塩を肉の両面に塗り込む
- キッチンペーパーで肉を包み、冷蔵庫内で1週間寝かせる
- ドリップが多い時はピチットシートを使うと良い
- 金属バットと金網を使うと良い
塩抜きをする
ピチットシートで脱水を終えた豚頰肉を流水で洗っていきます。
まずは表面についている岩塩とブラックペッパーを優しく取り除くように洗います。さらに塩加減を調節するために塩抜きをします。
今回は15分流水につけました。塩抜き後は豚肉が水分を含むため、フニャッと柔らかくなりました。
キッチンペーパーを使い丁寧に水分を拭き取っていきます。
- このまま食べると塩辛いので塩抜きする
- 流水で表面の塩と胡椒を取り除く
- 流水に15分浸して塩抜きする
- 塩抜き後にキッチンペーパーでしっかりと水気を取り除く
肉を乾燥させる
ここから肉の乾燥工程に入ります。塩抜きの際にお肉に水分が戻ってしまったため、またピチットシートを使い一度脱水をしておきます。
一晩ピチットシートを使って脱水し、その後お肉をキッチンペーパーで包み冷蔵庫内で乾燥させていきます(通常はタコ糸で肉を縛り、風通しの良いところに吊るして乾燥させます)。
7日間乾燥させたところ、肉がギュッと締まる感じと、表面の脂の照りの感じが出ており、美味しそうな状態に仕上がっていました。
短冊状にお肉をカットし、ジップロックに入れて冷凍庫で保存します。
包丁でカットする際も、ザクっと音がするくらいに乾燥が進んでいる感じがして良い仕上がりでした。
- ピチットシートで脱水させる
- タコ糸で吊るして干す or 冷蔵庫内で乾燥させる
- 1週間の乾燥で完成
- 短冊状に切りジップロックに入れ、冷凍保存する
黒胡椒を効かせたい時は
乾燥工程に入る前に流水で表面の塩を取り除きました。この際にブラックペッパーも洗い流れてしまいます。
こんな感じで洗い流したお肉の両面にブラックペッパーをこれでもか!というくらいまぶしていきます。
この状態でピチットシートでラッピングすることで、お肉が脱水される過程でブラックペッパーの香りがお肉にギュッと移ります。
7日間の乾燥工程を経て、カットした様子がこちら。
今回は短冊状ではなく、薄く切ってみました!ブラックペッパーがたっぷりと残っていることが確認できます。
早速フライパンで炙ってみましょう。
こんな感じにフライパンにグアンチャーレを並べて火を通すと、あっという間にお肉が透明になってきます。脂に熱が通った証です。
グアンチャーレを使ったレシピ
グアンチャーレがぴったりのパスタ料理『カルボナーラ』を作りました。
難しそうなイメージのあったカルボナーラですが、意外と簡単に作ることができましたよ!
クリーミーなカルボナーラ
絶品カルボナーラを作っていきましょう!材料はグアンチャーレ、卵黄、生クリーム、粉チーズ、パスタ麺、その他調味料といったところです。
- グアンチャーレ:適量
- 卵黄:3つ
- 生クリーム:60mL
- 粉チーズ:大さじ4
- 塩:適量
- 黒胡椒:適量
- ニンニク:適量
- パスタ麺:200g
まずはパスタを時間通り茹でておきます。
グアンチャーレはフライパンで炒めます。
ある程度炒まったらニンニクを加えて香りを出していきます。グアンチャーレを炒めると脂が出てきますが、そのまま調理に使うので吸い取らなくてOKです。
次に卵黄クリームを作っていきましょう。
卵黄、生クリーム、粉チーズ、塩、黒胡椒をボウルに入れしっかりと混ぜていきます。
材料は全て室温に戻しておくのがポイントです!
グアンチャーレがカリッと炒まってきたら、茹で上がったパスタと茹で汁を少々加えて混ぜ合わせていきます。続いて火を止めて卵黄クリームを入れて和えていきます。
パスタをさらに盛り付け、黒胡椒を振りかけたら完成です!
グアンチャーレの脂と塩味が、クリーミーなカルボナーラソースに合わさって上品な味わいになります。濃厚で美味しいパスタを楽しむことができました!
きのこクリームパスタ
冷蔵庫に『しめじ』や『玉ねぎ』が余っていたらきのこクリームパスタはいかがでしょうか。
- グアンチャーレ:適量
- 玉ねぎ:1/4個
- しめじ:1/2パック
- 生クリーム:60mL
- 白ワイン:30mL
- バター:適量
- 塩:適量
- 黒胡椒:適量
- ニンニク:適量
- パスタ麺:100g
グアンチャーレは1cm幅に切り、刻んだニンニクとフライパンで炒めておきます。脂が出てきてニンニクの香りが移ったら、玉ねぎとしめじを投入!(玉ねぎは細く切り、事前にレンジでチンしておくと楽です)材料がしんなりとしてきたら、白ワイン、バターを入れて、アルコールを飛ばしていきます。生クリームを加えて軽く火を通しながら、塩と黒胡椒で味を整えたら、湯がいたパスタ麺と和えて完成です!お好みで粉チーズを振って頂きます!
きのこと黒胡椒の香りが芳醇で、粉チーズとクリームの濃厚な味わいに彩を添えています。パンチェッタの塩味と脂の旨味がパスタに食べ応えを与えています!
パスタ以外でも、パンにサンドしても美味しいですよ!
さいごに
今回はグアンチャーレのレシピをご紹介しました。グアンチャーレは豚の頰肉で作るため、豚の頰肉のブロックを手に入れなくてはなりません。近所のスーパーでは売っていないので、お肉の入手という意味で難易度が高いかもしれません。
グアンチャーレを既製品で入手しようとすると、1ブロック5,000円くらいと値段が張るので自分で作った方が断然安上がりです!今回のコストは全て込み込みでも1,000円程度です。
豚の頰肉の脂の甘みが料理の美味しさを引き立てるので、料理のレパートリーを広げてくれます!何か参考になれば幸いです!