自分の年収はこれだけか、少ないなぁ。みんなはもっとたくさんもらっているのに。このように思い悩んだことはありませんか?
年収が少ないという悩みは尽きませんよね。世の中には1000万円プレイヤーもたくさんいます。さらには2000万円プレイヤーだっています。
それでは年収はいくらあると幸せなのでしょうか?
この記事では『最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』で大ベストセラー、ロルフ・ドベリ著の『Think clearly』を引用しながら、年収がいくらあると幸せになれるかを解説していきます!
- 年収がいくらあれば幸せなのか?
- お金に振り回されない思考法
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年収はいくらあると幸せか

さて500万円と2000万円の年収がもらえるならどちらが幸せでしょうか。少し考えてみてください。
こんな疑問を持った人は次からの章をご覧ください。順番に考えを整理しながら解説します。
幸せを感じなくなる仕組み
人間には幸せが感じにくくなる仕組みがあると言われています。
物事を繰り返すたびに、効果が弱くなるという仕組みです。具体例で説明します。
水で得られる幸せ
今あなたは砂漠をさまよっています。口は渇いてカラカラで、今にも倒れそうです。もう1日以上水を飲んでいません。
そんな時に商人が現れ水を売ってくれると言ったら、あなたはそのお水に幾らお金を払うでしょうか?

全財産を払ってでも水を手に入れたいと思うはずですよね。
では、買った水を飲み干し全身が潤った後に、再び商人が水を売ると言ってきたら、今度は幾ら払いますか?

今度は全財産を払ってまで水を手に入れたいとは思わないはずです。せいぜい手持ちのお金を使って、水を手に入れる程度だと思います。
なぜなら水を飲んだ時の満足感が、先ほどとは全く違うからです。
こうやって繰り返し水を消費していくと、得られる満足感はどんどん弱くなっていきます。
これが幸せを感じにくくなる仕組みで、経済の分野では『限界効用逓減(ていげん)の法則』とよばれています。
お金の事例
限界効用逓減の法則は、特に『お金』についてよく当てはまることが知られています。
とある調査研究によると、世帯年収が1200万円を超えると、それ以上年収が増えても幸福度が変わらないことが示されています。
これは当然のことで、幾ら大量に収入があったからといって、基本的な部分では生活は庶民と変わらないからです。
億万長者も朝起きて歯磨きをして、時には家族と喧嘩して、老いることに不安を感じて、夜に寝ようと思っても寝付けないこともあるのです。
もちろん年収が100万円しかない人と、年収が500万円ある人では幸福度に大きな違いがあるかもしれません。でも年収が莫大に増えて億万長者になっても、それだけ幸福度が上がるかは別問題なのです。
つまり年収は1200万円までは幸福度が上がり続けるが、それ以上に高い年収は不必要と言えます。
これに加えて、自分の背丈以上に頑張って年収を上げるのは逆に幸福度を下げるという可能性すら考えられます。この可能性について、次の章で解説していきます。
お金の価値が決まる仕組み
私たちは年収が上がれば上がるほど幸福になれると考えがちです。
そこで改めてお金の価値について考えてみましょう。『Think clearly』には面白い例え話が紹介されています。僕なりに解釈して紹介します。

今あなたの年収は500万円と2000万円どちらかになろうとしています。あなたならどちらの年収を取りますか?
そう思った人に向けて、まずは2000万円の方から解説してみます。
2000万円がもらえる仕事は、超エリート集団で構成されるコンサル企業です。みんなバリバリ仕事をして、高級マンションを買って、優雅な生活をしています。
しかし会社の業績が思うように伸びず、次の年は年収が1800万円に減額となってしまいました。200万円も収入が減るとは思っていなかったので、ショックを隠せません。
次は500万円のケース。
普通のサラリーマンとして働き、家族と庶民的な生活をしています。
会社の業績が少しだけ伸び、翌年の年収は550万円にアップしました。たった50万円のアップですが、めちゃくちゃ幸せを感じると思いませんか?

2つのケースでは、一方で年収が2000万円から1800万円にダウンし、他方では500万円から550万円にアップしました。
ダウンした時はショックを感じ、アップした時は幸せを感じました。
ダウンしたとは言え、1800万円は高い給料です。550万円よりはるかに高いです。
それなのに550万円にアップした人の方が感じる幸せは大きいのです!
つまりお金は相対的な価値であって、比較することで初めて価値を感じると言うことです。
以上より、2000万円という高額な年収に麻痺してお金に振り回されるより、500万円という現実的な年収で質素に生活する方がトータルでは幸せに生活できるということができます。
お金の価値は相対的に決まるのだと理解した上で、次の章ではお金に振り回されない方法について紹介していきます。
お金に振り回されない方法
『Think clearly』では4つの方法が紹介されています。順番に概略を紹介していきます。
貯蓄しておく

お金に蓄えがあるのは『安心』につながります。
例えば会社でミスを犯して上司から厳しく叱責されても、蓄えに余裕があれば感じるストレスは軽減されます。なぜなら最悪仕事を辞めても大丈夫だからです。
年収分のお金を貯めてしまえば、とりあえず1年間は生活することができます。これを『ファック・ユー・マネー』と呼ぶそうです。”くそったれ!”と言い放って会社を辞めることができるお金だからだそうです。
まずは年収分の貯蓄を作り、少しでも経済的に自立することで、心を落ち着かせて生活することができるというわけですね。
資産価値の変動に一喜一憂しない

資産価値の変動に一喜一憂しても意味がありません。
貯蓄ができれば投資を始める人も多いと思います。金融資産の価値に変動はつきもので、毎日価格が変わります。そのような価値の変動に一喜一憂しないようにしましょう。
毎日チャートをチェックして、評価額を確認してしまいがちですが、どんなに金融資産を見守ってもお金が増える速度は変わりません。むしろ損をしたくないという人間の感情が邪魔をして、資産の成長を妨げる可能性もあります。
長期投資と決めて、投資ばかりに気をとらわれずに、のんびりと生活したいものです。
裕福な人と比較しない

人との比較にはキリがありません。
お金の価値は相対的なものであると解説しました。つまり自分の年収の絶対額よりも、誰かとの比較による相対額に価値を感じることがあります。周りの人より年収が高ければ嬉しい、低ければ悲しいといったように。
しかしそんな比較をしていてはキリがありません。自分より年収が高い人なんて山ほどいます。比較をし始めたら、自分より稼ぐ人を見つけてしまい落ち込むことになるでしょう。
誰とも比較をしないことで、間違いなくお金に対する不安を軽減できます。
質素に暮らす

質素に暮らすことに価値があるという意見は目から鱗ではありませんか?
お金が増えたからといって生活レベルを上げてしまっては、裕福な暮らしに麻痺してしまい幸福度は伸び悩むのが関の山です。これこそ『限界効用逓減の法則』でしょう。
また裕福な生活は周囲から妬まれ、余計なストレスを誘発しかねません。お金が増えたとしても、やはり質素に暮らしましょう。
質素に生活することで、お金に対する不安やストレスを回避することができます。お金があってセレブ生活できるのは当然のことですが、逆に質素に暮らすことに価値があるのです。
よりよい人生を送るために
現代はストレス社会なので、悩むことも沢山ありますよね。
こんな時代だからこそ、より良い人生を送るための思考法を身につけて、幸せな毎日を送りたいものです!
今回引用した『Think clearly』は学術研究に基づいた『人生が上向きになる』52の具体的な思考法が網羅されています。この強力な思考の道具箱を学べば、これからの人生を豊かに楽しく送ることができます。
ちなみにAmazonが提供する『聴く読書』のaudibleなら初めの一冊が無料です。Think clearlyも通常3,500円のところを無料で聴くことができるのでオススメです!ぜひチェックしてみてください。
さいごに
今回は年収はいくらあると幸せかについて考えてみました。平均的な年収があれば十分幸せであり、世帯年収で1200万円を上回ると幸福度に変化がないということも分かりました。
そしてお金の価値は相対的に判断されており、他人との比較は年収に対する幸福度を下げる原因となることも分かりました。
まずは現在の年収分の貯蓄をして経済的に余裕を持つことが大事です。そして一定のお金が貯まったら、お金を増やすことではなく、質素に暮らすことや他人に奉仕することに幸せの要素を見出していきたいものです。
以上、何か参考になれば幸いです!
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