オニールの成長株発掘法では、CAN-SLIM投資が解説されています。
CAN-SLIMの”A”は、Annual Earnings Increases = 年間EPSの増加を表しており、『大きく成長している銘柄を探す』ことが目的となっています。
この記事ではいくつかの代表銘柄について、年間EPSがどの程度増加しているのかを分析した事例をご紹介します。
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2016年: 2,578円
2017年: 38,685円
2018年: 93,905円
2019年: 197,241円
2020年: 296,929円
2021年: 438,313円
2022年: 🤔🤔🤔🤤 pic.twitter.com/lpT0h5JUo8— かっぱ⭐️配当金で資産形成 (@hibi_kappa) February 8, 2022
* 本記事は具体例として個別銘柄に言及しますが、いずれも特定の銘柄を推奨するようなものではありません、投資の判断はご自身でお願いいたします
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CAN-SLIMスクリーニング
CAN-SLIMスクリーニングはオニールが提唱する成長株発掘法です。
以下の7つの視点でのスクリーニングを行います。
- C:Current Quarterly Earnings = 当期四半期のEPSと売上
- A:Annual Earnings Increases = 年間EPSの増加
- N:Newer Companies, New Products, New Management, New Highs Off Properly Formed Bases = 新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価を抜けて新高値
- S:Supply and Demand = 株式の需要と供給
- L:Leader or Lagard = 主導銘柄か、停滞銘柄か
- I:Institutional Sponsorship = 機関投資家による保有
- M:Market Direction = 株式市場の方向
成長性を分析する上で欠かせない指標が1株あたりの利益(EPS)です。
オニールの解説によれば、3年以上連続でEPSが成長し続けている銘柄を探す必要があります。
今回はEPSの成長率、すなわちCAN-SLIMの”A”に着目し、いくつかの代表銘柄について分析した事例をご紹介します。
年間EPS成長率の調べ方
年間EPSを分析するにあたり、参考にしたのは『かぶたん』のホームページです。
かぶたんにアクセスし、五洋建設を検索すると、『決算』というタブがありますのでクリックします。
引用元:かぶたんHP『五洋建設』
決算のページに、売上高や利益の推移を示した『業績推移』というシートがあります。
本シートで修正1株益(EPS)の値を確認しました。
引用元:かぶたんHP『五洋建設』
今回は過去4年分のEPSと来期予想の計5年分のEPSを収集しました。
MacのNumbersを用いて集計し、EPSの増減率について分析してみました。
年間EPSの推移と増加率の分析結果
今回調査の対象とした銘柄は、ネオモバの月次報告で報告している銘柄たち。
分析結果は下の表の通りとなりました。
修正1株益について前年比でプラスだと、セルが赤色に塗りつぶされています。逆にマイナスだと水色に塗りつぶされています。
オニールのCAN-SLIMに従えば、EPSは3年以上連続で成長していなければなりません。表では3年以上赤色に塗りつぶされている必要があります。
修正1株益は前年比でプラスに成長したけれど、その成長率が鈍化することもあります。
そこで成長率が伸びているか、鈍化しているかを分析したのが『修正1株益の成長率』という列です。
前年の修正1株益の成長率に対し、翌年の成長率が伸びていれば文字を赤色で、成長率が鈍化していれば水色で記載しています。
EPSの増加が続いている銘柄
過去3年の実績で、EPSが増加し続け、さらに次期のEPS予想も増加の企業は23銘柄中7銘柄ありました。以下にサマリーを示します👇
EPS増加が 続いている銘柄 コード |
EPS成長率 |
---|---|
ベネフィット・ワン 2412 |
2019年: +24% 2020年: +10% 2021年: +21% 2022年予: +20% |
カナミックネットワーク 3939 |
2019年: +13% 2020年: +40% 2021年: +32% 2022年予: +16% |
インフォコム 4348 |
2019年: +3% 2020年: +16% 2021年: +13% 2022年予: +16% |
日本新薬 4516 |
2019年: +26% 2020年: +3% 2021年: +23% 2022年予: +1% |
アルプス技研 4641 |
2019年: +18% 2020年: +12% 2021年: +7% 2022年予: +0% |
イントラスト 7179 |
2019年: +10% 2020年: +22% 2021年: +10% 2022年予: +10% |
伊藤忠エネクス 8133 |
2019年: +5% 2020年: +4% 2021年: +1% 2022年予: +3% |
さすがに成長率も年々増加というわけにはいきませんでしたが、高い成長率を維持している銘柄です。
例えばベネフィット・ワンは2019年より、20%前後のEPS成長率を維持していました。
インフォコムも2020年以降15%前後のEPS成長率を維持しています。
逆にカナミックネットワーク、日本新薬やアルプス技研はEPSこそ成長していますが、その成長率は鈍化の傾向があることがわかりました。
EPSが連続増加し始めた銘柄
過去3年の実績でEPSの連続増加はなかったものの、次期の予想と合わせて3年連続のEPS増加の見通しの銘柄として3銘柄がピックアップされました。以下にサマリーを示します👇
EPSが連続で 増加し始めた銘柄 コード |
EPS成長率 |
---|---|
みずほFG 8411 |
2019年: -83% 2020年: +365% 2021年: +5% 2022年予: +8% |
日本電信電話 9432 |
2019年: -2% 2020年: +5% 2021年: +7% 2022年予: +21% |
ソフトバンク 9434 |
2019年: -8% 2020年: +10% 2021年: +5% 2022年予: +3% |
いずれも高配当の代表銘柄でした。
高配当銘柄は既に成長が成熟しているため、成長株ではないことが多いです。
とはいえ、EPSが成長し続けているなら、安心して保有できるのでより良いですけどね!
EPSの連続成長が止まった銘柄
EPSの連続成長が止まった銘柄に着目すると面白いことが分かります。
ほとんどの銘柄は2020年にEPSがマイナス成長していることが分かります。
詳細は個別に分析する必要がありますが、多くがコロナショックによる業績の不調だと考えられます。
2020年にEPSがマイナス成長した銘柄について、次期のEPS予想をプラス成長としている銘柄と、引き続きマイナス成長としている銘柄に分けられました。以下にサマリーを示します👇
EPS連続増加が 止まった銘柄 コード |
EPS成長率 |
---|---|
ダブルスタンダード 3925 |
2019年: +80% 2020年: +27% 2021年: -1% 2022年予: +43% |
伊藤忠商事 8001 |
2019年: +26% 2020年: +4% 2021年: –20% 2022年予: +37% |
三菱HCキャピタル 8593 |
2019年: +8% 2020年: +3% 2021年: -22% 2022年予: +5% |
五洋建設 1893 |
2019年: +6% 2020年: +24% 2021年: –10% 2022年予: -5% |
CDS 2169 |
2019年: +27% 2020年: +16% 2021年: -30% 2022年予: -11% |
第一三共 4569 |
2019年: +58% 2020年: +38% 2021年: -41% 2022年予: -33% |
2022年以降、EPSがどのように成長するか注意しながら見極めをしていく必要がある銘柄であると考えられました。
成長株の発掘に役立つ本
オニール本を含め、成長株発掘に役立つ本を整理しました。ぜひ参考にしてくださいね!
本 | タイトル・内容 |
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【会社業績の分析力アップ】 ファンダメンタル投資の教科書 改訂版 好業績の会社を選ぶための教科書 四季報や決算書の分析事例を網羅 業績面から銘柄選びができるようになる! |
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【投資指標の理解向上】 図解「PERって何?」という人のための投資指標の教科書 投資指標の意味を解説した教科書 銘柄選びの指標を理解できる 投資指標から銘柄分析できるようになる! |
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【株価チャート分析力アップ】 株価チャートの鬼100則 株価チャート分析に特化した教科書 チャート事例はなんと100通り! 実際のチャートなので理解しやすい 株価チャートの分析力がアップ! |
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【成長株の代表的な名著】 オニールの成長株発掘法 【第4版】 有名なCAN-SLIM投資法を解説 過去100年の成長株チャートを分析 実際のチャートなので理解しやすい 大成長する銘柄を探す力が身に付く! |
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さいごに
今回はオニールの成長株発掘法にしたがって分析をしてみました。
一部の銘柄は3年連続EPS成長の実績と、次期プラス成長の予想でした。
EPSを見ることで、企業の成長の勢いを理解できることがわかりました!面白いですね。
引き続きEPSを分析しながら株式投資ライフを楽しんでいきたいと思います!