3月25日に丸紅(8002)が業績予想の下方修正を発表しました
2020年度の通期連結業績について、当期利益を2000億円から-1900億円の赤字転落予想と修正しました
3900億円の減益により18年ぶりの最終赤字、赤字幅も最大ということで非常にインパクトのある発表でした
コンテンツ一覧
減益の要因
新型コロナウイルス感染症が大流行しており、世界的な経済の先行き不透明から原油価格が急落しています
これに伴い丸紅の抱える事業のうち、『石油・ガス開発事業』、『米国穀物事業』、『チリ銅事業』、『海外電力及びインフラ関連事業』について減損損失の見込みを発表しています
主な修正理由となった減損損失は下記のとおりです
- 石油・ガス開発事業:マイナス1450億円
- 米国穀物事業:マイナス1000億円
- チリ銅事業:マイナス600億円
- 海外電力/インフラ事業:マイナス400億円
やはり原油関連の減損が目立ちます
丸紅は米国メキシコ湾と英領北海の石油・ガス開発事業を行っており、原油価格の急激な下落の影響を大きく受けています
配当への影響
これまでに2020年の年間配当金は1株あたり35円と公表されていました
今回の業績の下方修正では配当金の減配は明言されず、35円と据え置かれました
一方で、業績予想の将来に関する記述は現在の情報に基づくもので、実際の業績等は様々要因により大きく変わる可能性が明示されています
状況の悪化によっては、減配という可能性も視野に入れなければならないかもしれません
丸紅の決算短信を確認すると、2019/12/31現在で利益剰余金は1兆2000億円ほどあるようです
一方で、2019年の支払い配当は616億円程度であり、すぐに配当を支払えなくなるということは無いのではとみています
これまでの配当支払い状況は下記にまとめています👇
株価への影響
3/25の終値は前日比で49.3円高(+8.58%)の623.6円で引けるなど、日経市場の大幅高に同じく、前日から窓を開けての陽線引けとなりました
引用元:株探(丸紅チャート)
一方で下方修正発表後の夜間取引では11万以上の出来高を伴い安値542円をつけるなど、大引けから10%以上の下落を示しました
今回の下方修正を市場が厳しく評価した形です
本日以降の取引で、今週末の権利付き最終日(3月27日)を待たずに株価が反応するのか、注目したいところです
おわりに
世界的なコロナウイルスの感染拡大に伴い、様々な企業が業績を下方修正することが予想されます
特に海外の売り上げに依存している企業にとっては、厳しい業績が予想されるかもしれません
投資指標が割安であったとしても、業績の下方修正があればその指標も正しい業績を反映していないこととなります
引き続き市場の動向を注視し、冷静に取引を進めたいと思いますが、コロナショックでは引き続きボラの大きい上げ下げが続くと思っています
そして中長期的にはしばらく下げのトレンドになるのではないでしょうか
コロナショックの業績への影響を考慮して、冷静に銘柄を選びたいものです
このような状況を受けた今後の投資方針については、下記にまとめています👇
* 本記事は個人の考えを示したものであり、投資の判断はご自身でお願いいたします